FDマザーマップ®は各看護系大学が、組織的な取り組みとしての自大学のFDプログラムの点検や、各大学独自のFDマップの開発、またFDプログラムを作成する際に活用できるように開発されたものです。対象は、看護系大学で看護学を学ぶ学生に教育活動を行う教員であり、FDマザーマップ®とは看護系大学教員として備えるべき能力を行動レベルで示した、体系的な見取り図です。各大学が自大学の必用に応じて組織的に活用できることを目的とし、その能力を区分して要素を選定、各要素の能力開発の段階をレベルとして示しています。
FDマザーマップ®は、看護系大学教員が現実的に抱えている課題及び看護学教育の特徴を加味し、
看護に特化した能力を網羅するように構成しております。FDマザーマップ®は次のような活用の利点があります。
① | 看護系大学教員に求められる能力の全体像が見える。 |
② | 各大学独自のマップの作製を支援できる。 |
③ | 各大学独自の看護に特化したFD活動の推進に役立つ。 |
① | 自大学の教員構成に即したFDニーズ分析ツールとしての活用 自大学の教員がFDマザーマップ®で取り上げた能力レベルとしてどのような状態かを評価し、FDマザーマップ®にプロットすることで、組織全体としての教員の特性を把握し、FDニーズを分析することができます。 |
② | 自大学のFD活動の現状分析、評価ツールとしての活用 本マザーマップを活用して、自組織が実施しているFD活動によってどのような教員の能力が育成されているのかについて、現状分析、評価をすることができます。 |
③ | 自大学の実情に即したFDマップ作製の雛型としての活用 本マザーマップの基本構成を雛型として活用することで、各大学の実情に即したFDマップを開発することができます。 |
④ | FDの計画的な企画・実施・評価のモデルとして活用 本マザーマップに取り上げられた教員の能力をFDの達成目標として活用することで、 自大学のFDを計画的に企画・実施・評価することができます。 |
① | 教員の自己評価、目標設定ツールとしての活用 FDマザーマップ®に取り上げられた教員の能力が、自身にどの程度備わっているかを、日頃の大学教員としての活動状況から振り返ることで、看護系大学教員としての能力の自己評価、今後の能力開発に向けた目標設定ツールとして活用することができます。また、本マザーマップに取り上げられた教員の能力をFDの達成目標として活用することで、これまでのFD履歴の整理、今後の計画的なFD研修受講の計画を立てることができます。 |
FDマザーマップ®は「基盤」「教育」「研究」「社会貢献」「運営」の5つの区分から成り、またそれぞれの区分は、必要とされる能力である「要素」から構成されます。これらの区分と要素を図示したものが図1です。
図1 看護学教育におけるFDマザーマップ®全体構成
各要素は看護系大学教員としての成長に合わせて発展するとして、それぞれレベルを示しています(図2)。レベルは、我が国の看護系大学の現状を踏まえ、教授、准教授、講師、助教といった職位別ではなく、大学教員としての経験の多寡によって異なる能力開発の段階を「レベルⅠ:知る」「レベルⅡ:自立してできる」「レベルⅢ:支援・指導、拡大できる」の3段階に分類しました。
図2 FDマザーマザーマップの構造図
本プロジェクト成果として開発されたFDマザーマップ®は、「看護学教育におけるFDマザーマップ®活用ガイドVer.3」として公表しています。英語版、中国語版も作成していますが、冊子体のため、必要時、問い合わせをお願いいたします。
FDマザーマップ®は各看護系大学におけるFDプログラムの点検や各大学独自のFDマップの開発されたものです。対象は、看護系大学で看護学を学ぶ学生に教育活動を行う教員であり、FDマザーマップ®は、看護系大学教員として備えるべき能力を行動レベルで示した、体系的な見取り図です。
FDマザーマップ®の要素の一覧を以下のページで確認することができます。また、各要素を選択するとレベルごとの詳細項目を確認することができます。
全体図より各区分を選択すると、要素とレベルの一覧が展開されます。続いて閲覧したい要素をクリックすると、その内容を確認することができます。また要素と関連する実績表を閲覧したい際は、各要素の実績表のアイコンをクリックするとそれぞれの実績表を閲覧することができます。
個人利用の目的以外でFDマザーマップ®のご利用を希望される際は、問い合わせフォームよりご連絡ください。
FDマザーマップ®のチェック印刷用ページ
※入力した自己評価を一覧でき、印刷もできます。
1.看護系大学教員としての基礎力 | ||||
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看護学の本質的理解 | ||||
看護学に対する興味・関心 | ||||
教育活動と研究活動のバランス | ||||
教員活動に対する自己評価 | ||||
看護系大学教員としてのキャリア開発 | ||||
2.看護専門職としての基礎力 | ||||
看護専門職としての健康管理 | ||||
看護観 | ||||
看護専門職の社会的役割 | ||||
看護専門職としての自律性 | ||||
看護専門職としての倫理観 | ||||
看護実践におけるスキルの重要性 |
1.教育者マインド | ||||
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教育者マインド | ||||
2.カリキュラム編成 | ||||
カリキュラム編成 | ||||
3.入学者選抜 | ||||
入学者選抜 | ||||
4.授業運営 | ||||
授業設計 | ||||
授業展開 | ||||
評価とフィードバック | ||||
5.臨地実習指導 | ||||
実習環境・体制整備 | ||||
臨地での柔軟な支援方法の工夫 | ||||
学生の実習経験と看護概念を関連づける学習支援 | ||||
臨地での主体的学習への支援 | ||||
臨地での倫理的学習への支援 | ||||
6.学生支援 | ||||
学生生活支援 | ||||
キャリア支援 | ||||
国際交流の推進 |
1.研究者マインド | ||||
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研究者マインド | ||||
2.研究遂行能力 | ||||
看護学研究の理解 | ||||
看護学研究の課題の見つけ方 | ||||
分野横断的な研究の進め方 | ||||
研究フィールドとの関係の取り方 | ||||
データの取り扱いとその方法 | ||||
倫理的配慮(知的財産権,利益相反,オーサーシップ含む) | ||||
看護学研究論文の書き方 | ||||
研究論文のクリティークの仕方 | ||||
研究成果をもって看護の現場へコミットする | ||||
3.研究マネジメント・調整能力 | ||||
時間のマネジメント | ||||
研究費の獲得と適切な運用 | ||||
研究者としての人的資源の形成やマネジメント | ||||
研究環境の整備 | ||||
組織的研究活動の推進 | ||||
4.研究発信の意義と理解 | ||||
発信する研究の社会的意義の理解 | ||||
看護学教育・実践の質の向上 | ||||
看護学研究の発展 | ||||
新しい変化への対処 | ||||
成果発信 | ||||
研究成果の計画的・戦略的な普及・発信 | ||||
交流 | ||||
研究会・学会活動 | ||||
5.国際化 | ||||
国際学会での発表 | ||||
国際共同研究の推進 | ||||
学術国際交流の推進 |
1.社会貢献のあり方 | ||||
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社会貢献のあり方 | ||||
2.看護活動のイノベーション | ||||
ニーズ把握の方法 | ||||
実践への適用 | ||||
政策への提言 | ||||
3.地域貢献 | ||||
看護の社会的役割や意義(価値、特質)の発信と活用 | ||||
看護系大学のリソースとしての役割 | ||||
産官学連携の実施 |
1.組織と個人の理解 | ||||
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自大学・学部学科の歴史の理解 | ||||
自大学・学部学科の理念の理解 | ||||
大学の組織体制の理解 | ||||
大学の組織人としての態度の理解 | ||||
2.組織文化の創造 | ||||
組織文化の理解・醸成 | ||||
自大学・学部学科の組織文化の創造 | ||||
3.課題解決に向けた組織マネジメント | ||||
組織マネジメントサイクルの理解と活動 | ||||
課題遂行時のセルフマネジメント | ||||
ハラスメント対策 | ||||
リスクマネジメント | ||||
4.組織変革時のリーダーシップ・フォロワ―シップ | ||||
組織変革時のリーダーシップ・フォロワ―シップ |